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ホッキョクグマ輸送プロジェクト

Project Import of Polar Bear.
(Ursus maritimus)

日本平動物園に納入したメスのホッキョクグマ日本平動物園に納入したメスのホッキョクグマ2011年8月18日、弊社は静岡市立日本平動物園へホッキョクグマ1頭を輸送し、納入することに成功した。
世界中に生息する陸棲肉食獣の中で最も大型になる動物がホッキョクグマである。極地に分布するホッキョクグマはワシントン条約では付属書Ⅱに指定されている動物だ。ホッキョクグマについては国際的な保護や監視する取り組みが展開されている。国際取引には輸出国の輸出許可書が必要となっている。日本の動物園、水族館でも飼育展示している施設は多いのだが近年は入手が大変困難になり、日本国内での繁殖を目的に園館でのブリーディングローンも活発に行われている。
2010年某月、静岡市立日本平動物園へ爬虫類関係の打ち合わせに赴いたところ、園長さんと園内で立ち話をする機会があった。
「日本平のホッキョクグマ、ロッシーのお嫁さんどこかにいませんか? 静岡市のために骨を折ってくださいよ…」と言われた。

私は「探してみますよ」と答えた。

そのときは園長さんも社交辞令でホッキョクグマの話をしたのかもしれないし、藁にもすがる気持ちで爬虫類屋の私(藁)に話をしてみたのかもしれない。ただ私も日本平動物園にホッキョクグマを納入できるチャンスは私にもあるのだなと漠然と考えるだけであった。

リサーチを開始してみたものの…

私は会社に戻ってからホッキョクグマの分布地であるカナダ、アメリカ、デンマーク、ロシア、アイスランドの政府及び大使館、動物園に片っ端から連絡を取りホッキョクグマの輸出許可書の発行可否を確認した。

各国政府の反応はことごとくネガティブなものだった。

一番期待したカナダはイヌイットが生活のために最小限のホッキョクグマの狩猟をすることを認めていたので相当、楽観視していたのだが生きている個体は一切輸出を認めないとの回答であった。毛皮や剥製、頭蓋骨まで輸出できるのに…。 

ロシアは日本平動物園がオスを輸入した国でレニングラード動物園からロッシーは来ていた。そのため、日本平動物園はロシアにコネクションがあったのだが入らないという。何故だろう…。私の好奇心は何故出せないのかに集中した。ロシアを探ってみることにした。調べていくとロシアは奥が深くなかなか真実が判らない国であった。ネットでロシアを調べているとホッキョクグマとプーチン首相が一緒に写った画像を偶然見つけた。そして直後に謎は解けた。 ロシアでのホッキョクグマの保護政策はロシア首相府直轄でプーチン首相の肝いりだったのだ。(要は利権構造である)
私はロシア首相府のプーチン首相宛にメールでホッキョクグマの輸出を直訴した「親愛なるウラジーミル・プーチン首相閣下…」。
結局、プーチン首相からの返事は来なかった。

情報を追って中国へ…

2011年初頭、中国人ブローカーとの電話での雑談中、ホッキョクグマの話題となった。中国でも数ペアを探しているとのことであった。 私が「メスを探しているけれど全然いないね」と言ったところ、「高くてウチは買えないけれど1頭メスの心当たりかある。欲しかったら高額だけど買えるよ。」という。

本当かいな???

相当な疑問はあったし不信感もあったがこいつと実際に会って話をしないことには始まらないと翌日には私は北京へ飛んだ。
北京へは1泊2日の滞在である。この滞在期間に話の真実を見極め、可能であれば仮押さえまで行きたいと考えた。ホテルでの面会時間に彼はピッタリにやって来た。初めて会うブローカーである。彼はひとしきり自分の生い立ちや仕事の内容を30分程、一方的に癖のある英語でまくし立てた。なかなか本題に入らなかったが「ところでホッキョクグマだけど…。」
そらきた。身を乗り出して一言も漏らさぬ気持ちで向かい合った。
こちらから聞いた。

「ホッキョクグマは何処にいるんだ?」

彼はニャっと笑い「情報料で5万ドル先払いしたら教えてやるよ」わざわざ北京まで来たのに先に金はらえだと?? ふざけんなである。
そこは冷静に交渉すること2時間以上。昼食を挟んで午後もネゴは続いた。
こんな情報に先払いはできない、ただしもし本当であったら取引完了後に情報料と手数料をまとめて払うのが当たり前である。過去に例を見ないタフネゴシエーターであった。夕方になりお互いに決裂かという憔悴感に包まれた時、彼は言った。

「おまえを信用する。ただし、国名は言えない。中国と、日本と韓国を除く
アジアの国からだ。今言えるのはこれだけ。」

日本平動物園に納入したメスのホッキョクグマタイで出会ったメスのホッキョクグマ

日本平動物園に納入したメスのホッキョクグマホッキョクグマのエサのレシピ

中国で仕入れた情報の正体

ヨーロッパかカナダだと内心予想していた私は彼の言葉に我を失った。ただ、貴重な情報をくれたことには間違いない。話の流れから見てもこの期に及んで嘘は無いだろう。僅かな情報であるが北京に来た甲斐があったとホッと胸を撫で下ろした。
「アジアか…」日本、韓国、中国以外のアジアでホッキョクグマがいる国。
簡単だ。台湾とシンガポールだけじゃないか。 両国の国際血統登録リストの中から個体を探してみた。
この中に余っているメスが絶対いるはずだ。
しかし、いないのである。台湾、シンガポールには余剰個体が一切いないのだ。他の国、フィリピン、インドネシア、ベトナムいる訳がない。タイも10年以上前にはパターZooで1頭飼育されていたけれど死んだ。バンコクのデュシット動物園の総裁に聞いてもタイにはホッキョクグマはいないと言った。
じゃぁ、この話は嘘か?私の中の期待は疑惑へと変わっていった。

「写真を見せてくれないか?」

電話で写真を送ってくれと頼んでみたところ、メールで画像が送られてきた。2頭のホッキョクグマが写っている写真であった。ガラス張りのプールで泳いでいる。私の知っている園館でガラス張りのプールはなかった。これはどこだ? アジアではこんな場所は知らない…。

数週間後、らちが明かないのでとりあえず契約書の調印をして情報料を払う約束をした。
契約書は中国人が作成することになりメールで英文の契約書の雛形が送られてきた。契約書を見て驚いた。輸出国の欄に”Thailand”と書かれていたのである。この瞬間、「こりゃ、ガセだ。駄目だこりゃ」と思わず口を吐いて出た。タイには絶対いないと確信しているし、私の情報ソースはことごとくタイにはいないと言っていた。タイは私の最も得意とする国の一つなので「いない」と自信があった。

ここまで来ればどうしても確かめる必要がある。駄目元だけど乗りかかった船である。
私は「本当のことを言ってくれ。タイとなっているけれど一体全体、本当はどこの国なんだ?」と聞くと

「タイに間違いない…」

「よし、じゃぁ、タイへ行くから現地で合流して実物を見ようじゃないか。」
こういえば諦めるかと思ったが意外にも「来週一緒に行こう」との返事。

日本平動物園に納入したメスのホッキョクグマタイから出発の当日の作業。

日本平動物園に納入したメスのホッキョクグマ静岡への道中

日本平動物園に納入したメスのホッキョクグマ日本平動物園へ到着

確証に変えるため一路タイへ…

日本平動物園に納入したメスのホッキョクグマ調印式にて
1週間後、私はタイのバンコクへ飛んだ。 中国人との待ち合わせは翌日朝10時。いるはずのないホッキョクグマが「いる」と嘘をつく理由は何だろう? と考えると答えは一つ。

誘拐だ。

私は誘拐される確率が極めて高いと考え、携帯電話を日本の事務所とつないだままにして中国人と会うことにした。場所は「サファリワールド」というバンコク郊外の動物園であった。私はサファリワールドがあることは以前から知っていたけれどタイに来てまでサファリを見ることもないと一度も行ったことはなかった。
中国人に会って車に乗せられて園内に入っていった。
ホワイトタイガーの檻の前で車は止まり、下りろと言う。このまま檻に閉じ込められるのだろうかと脳裏をかすめた直後に後ろを振り向くと何とそこは写真で見たあのガラス張りのプールであった。
プールの中にはホッキョクグマが泳いでいた。それも4頭も。
熱帯のタイにホッキョクグマが飼われているなんて…しかも繁殖も順調に行われているなんて…。
見るもの、聞くもの全てが信じられない事だらけであった。
ホッキョクグマの飼育環境、与えている餌のレシピなど一般的な国際スタンダードの飼育方法とは異なっている。ただし、言えることはこれで繁殖が世界に類を見ない程に成功しているという紛れもない事実。
何も言うことは出来ないのである。 ただただ凄いとしか言いようがない。

その後、中国人を介してサファリワールドとレップジャパンの売買譲渡契約を締結した。
日本での契約はレップジャパンと静岡市との間で交わされた。
静岡市は政令指定都市なので物品調達に関する国際取り決めなどがあり、なかなか契約まで辿り着くことは困難を極めた。
最終的に入札をして価格決定の上、契約を調印できた。
輸出許可書、衛生証明書等の必要手続きを順調に処理していき、最終的に2011年8月18日に日本平動物園へ搬入する事が決定した。

2011年8月15日、私はバンコクへ飛んだ。
バンコクでの搬出の様子は動画をご覧いただければよりリアルにお伝えできるであろう。

いよいよ本番!

日本平動物園に納入したメスのホッキョクグマ成田へ無事到着私とホッキョクグマはタイ国際航空642便にて2011年8月17日夜バンコクを飛び立ち、翌8月18日成田空港に到着した。 
私は成田での通関を済ませ、チャーターした2トンの冷蔵車を運転して一路、静岡市立日本平動物園へ向かったのである。
無事、ホッキョクグマを納入してミッションは終了!!

今回、ホッキョクグマの調達及び輸送導入プロジェクトに成功したが静岡市の皆様をはじめ日本平動物園の皆様、タイサファリワールド関係者、タイ国際航空の皆様などなど本当に大勢の関係諸氏のご協力とご尽力が無ければ成し得なかったプロジェクトであった。
こんなにも大きなミッションに携われたことは大変嬉しく、誇りに思う。
この場をかりて心から感謝申し上げます。

次の大型プロジェクトに向け、全力で取り組んでいきたいと決意を新たにした次第です。

有限会社レップジャパン
白輪剛史

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動物取扱業登録 販売 第220106076号
動物取扱業登録 展示 第220106078号
動物取扱業登録 貸出 第220106077号
登録年月日 平成23年12月25日  
有効期間末日 平成33年12月24日 
動物取扱責任者 白輪剛史